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「タクシードライバー」

2004年08月14日 | 映画・映像 | del.icio.usに追加 | はてなブックマークに追加 | livedoorクリップに追加

1976  アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ポール・シュレイダー
音楽:バーナード・ハーマン
出演:ロバート・デ・ニーロ、ジョディ・フォスター、シビル・シェパード、 ピーター・ボイルほか
オススメ度:★★★

予想以上に脈絡のない映画。いや、そうではない。問題は時代性である。カンヌ映画祭グランプリほか数多くの賞に輝いた名作であるということを前提にして考えれば、今さら「現代都市に潜む狂気と混乱」などと分かりやすい言葉を並べたてたところで理解はほど遠い。70年代のニューヨーク、そこで生きるベトナム帰りのタクシードライバー。このことことの持つ意味の大きさを知らなければ、おそらくこの映画の持つおもしろさは見えてこないのだろう。もちろんこれも推測にすぎない。

時代性を逃れない全ての表現はある種生ものであるわけで、当然リアルタイムでみるのが一番いいのは言うまでもない。とりわけ映画というそれ自体がメディアとしての広がりを持つ形態であるならば当たり前のことだ。だからわれわれはその時期を外して後に作品と向き合う場合、多少なりとも時代性に対する態度を問われる。あえてここで「態度」とと言ってみたのは、例えば小西康陽のように時代の差異をそのまま受け入れて消化するようなスタンスもあり得るからである。実際、本作は表層的な部分だけすくいあげてオシャレと言わしめるような側面も持っていて、下手するとリバイバル・ファッション的な視点で受け取ることも可能である。ただ実際のところわれわれは、作品がそもそも持っていた意味なり価値を知ってみたいと願うわけであり、一鑑賞者としてはなかなか小西氏にはなれない。難しい点ではある。

なお、これが遺作となったB・ハーマンのスコアがかなり効果的に使われている点は特筆に値する。

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