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トヨダヒトシ「スライドショー/映像日記」
2004年09月24日 | 関西/大阪アートシーン | | |
2004年9月23日(祝)〜26日(日)
[NA.ZUNA part 1]・[NA.ZUNA part 2]・[The Wind's Path]
CAP HOUSE 神戸(神戸)
1,000円(1ドリンク付)
オススメ度:★★
スライドショーにデフォルトでBGMがつくようになったのは、もしかするとAppleの残した悪しき習慣かもしれない。時間軸に写真を並べてそれを投影する、それだけで写真はひとつの流れの中で新しいストーリーを語りだす。別に特別なことでも何でもないのだけれど、そういうことを当たり前をするのが実は一番難しい。この点においてこの作家は極めて潔い。ただしその潔さが作品を作品として成立させるべく正しい方向に導いているかどうかは微妙なところである。
誤解も含めてテーマは「旅」である。すくなくとも私にはそのように思えた。見知らぬ土地で見知らぬ人々とふれあうことで目覚める視線があることは、すでに誰でも知っていることである。それをいまさら作品として見せる、もしくは見せられるということに対しての疑問は多い。それにつけて昨今の写真ブームの後に、それでもなお作品化が可能な写真とはいかなるものか。写真という表現形態が本質的にメディアとの関わりを逃れられないとするならば、それについては潔いトヨダ氏に答えてほしかった問題である。あとプロジェクションという手法についてももう少し説得力が欲しかった。作者説明では「そこに有るのに触れる事が出来ない距離感」とのことだったが、個人的には納得するにはいたらなかった。
ただ、そういったことを考慮しても、スライドショーをひとつの表現形態として突き通そうとするトヨダ氏の潔さについては今後の期待もこめて評価したい。
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