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ほんのりとした充実感
2006年01月23日 | 日々嘉綴 随筆 | | |
22日。プラネットステーション・ワークショップ当日。11:00入りの予定だったが、道がすいていたせいで10:30に到着。プロデューサールームではすでに何人かのスタッフたちがスタンバイしてくれていた。すこし挨拶をして、会場となる会議室にて準備。といっても、机を並べて、そこにモチーフとプリントを並べるくらい。森ノ宮のモスバーガーでアシスタントの峪田とボランティアの近藤さんと食事をとりながらWSで話す内容を簡単にメモ書きする。めずらしく少し緊張する。
12:45、会場に着くとすでに受講者の高校生でいっぱい、若さに少々ひく。運営スタッフ・岡田さんの軽い紹介の後、ワークショップ開始。美術の中でコンセプチュアル・アートがどういう位置づけにあるかを簡単に説明した後、コスース「1つと3つの椅子」を引き合いに概念的な視点について講義。もの珍しさか最初はそこそこいい反応だったが、内容が授業的になると極端にテンションが落ちていくのがわかる。そのあたりはもっと上手い進め方があるのだろうが、ワークショップの不慣れな自分にはそのあたりのメソッドがない。
ただ、実際にモチーフと向き合う段階に入ると彼らは本当に真摯で、思ったよりもずいぶんと器用に意味を引き出しはじめる。なかにはこちらが「辞書うつしたの?」と聞くくらいによく出来た内容のものもあった。そして実制作にはいると、ほとんどの受講者はもう手がつけられないほどに好き勝手で、コスースという名前も忘れるほどだったけれど、ずいぶんと楽しそうだったのでこれも良しとするかとといった気分になる。段取り不足、とりわけ撮影周辺がずいぶんとトラブってしまったが、そのあたりはプラネットの古谷氏が中心になってフォローしてくれた。
途中からはむしろこちらがオロオロするくらいに事は勝手に進み、結果的に無事35個の「1つと3つの○○○」ができた。お題目だった「コンセプチュアル・アート」という視点から見ればずいぶんと違う方向にも行ったが、どれもまぁずいぶんと個性派で見ていて純粋に楽しかった。いやむしろ、その中にワークショップの意図を的確に捉えてカタチにしたものがいくつかあったことに驚いた。
WS終了。プロデューサールームに戻って、WSを後ろで見てくれていた青少年活動財団の久保氏と少し話す。彼は野外活動の企画などが専門だそうだが、アートの領域で出来ることにも積極的に取り組んでいきたいとのこと。美術家と名乗りながら美大にもギャラリーにも縁がない自分としては、実はこういう他分野の人たちとする仕事がとてもしっくりくる。スタッフがおりてくるのを待っている間、手伝いをしてくれた新今宮の高校生とイカ焼きを食べた。受講者のアンケートに一通り目を通し、結局プラネットステーションを出たのは19:00。
帰りの車の中で、峪田と本日のおさらいと評点。自分は65点、峪田は75点、まぁどちらも合格点。ほんのりとした疲れと充実感を感じながら、なぜか千里に寄り道して映画のレイトショーを見ることになった。「博士の愛した数式」。博士の話と昼間自分がしゃべった話がだぶって聞こえておかしかった。
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