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SONY BRAVIAの新CMはパクり?その2 〜もしかしてそれは折り込み済み?
2007年10月15日 | 日々嘉綴 芸術 | | |
昨日の書いた「SONY BRAVIAの新CMはパクり?」の続編。
あの後、アイデアをパクられたと推測されるアーティスト・Kozyndan自身のブログを発見。もちろんこの一件についても触れられていました。
To add insult to injury, someone from Passion Pictures contacted us almost two years ago asking to see samples of our work (including this panoramic) as they were interested in working with us. We sent them samples and then heard nothing from them ever again. (It should be noted though, that the more likely culprit is the ad firm who hired Passion Pictures, Fallon)
転載元:kozyndan: Sony bravia ripping us?
要は問題のCMを制作したPassion Pictures(GORILLAZのミュジックビデオなども制作している会社)は2年ほど前にKozyndanに対して何かしらの仕事の打診をしていて、その際Kozyndanは例の作品を含むサンプル(ポートフォリオみたいなもの?)を彼らに渡したそうです。で、それ以来音信不通で、気がついたらSONYのCMになっていたと……。
つまり、もう疑惑とかじゃなくて真っ黒なわけですよwwwww
ただこうなると、議論は別の次元に移行するような気がします。つまり、BraviaのCMのモトネタがkozyndanの作品であることは間違いないことだとして、それをパクりだと言えるかという話です。実際のところkozyndanの作品は平面でありBraviaのCMは動画なわけで、またモチーフとして同じような色合いのウサギが街中をはしりまわるという共通点はあるにしても最終的なテイストとしてはずいぶんと異なるものに仕上がっているわけです。そして何よりBraviaのCMはそれ自体、kozyndanの作品とはまったく違う意味でクリエイティブだしよくで出来てる。
ビジネス的な視点からもうちょっと冷めた見方も出来ると思います。おそらく今回の一件でkozyndanは「Braviaでパクられたあの……」ということで、長い目で見るとそれなりの二次的・3次的な利益を期待できると思います。これはある美術の世界での転売の仕組みにも似ていて、例えばある作品がギャラリーを通じて10万円で売られた翌日に100万円で転売された場合、その差額の利益は基本的に1円たりともアーティストに還元されないわけですが、将来的に見てそのアーティストの作品の価格は10万円よりは確実に高くなり、結果的にアーティストはそれなりの収益が期待できると言われています。こういうことはある意味美術の世界では“折り込み済み”であって、もしかすると今回の件も広告業界における“折り込み済み”なのかもと勘ぐってみたりします。
……とはいえねぇ、やっぱどちらも正直それほど気持ちのいいもんではないわなぁ。作り手にしてみれば。
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