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「ビデオ・ランデブー:映像の現在」で考えたこと その1

2008年01月25日 | 岩淵拓郎の仕事 | del.icio.usに追加 | はてなブックマークに追加 | livedoorクリップに追加

大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室で開催されていた展覧会「ビデオ・ランデブー:映像の現在」が終了しました。11日間という短い会期でしたが、たくさんの方にご来場いただき、僕としてもなかなか実りの多い展覧会となりました。まずは足をお運びいただいたみなさん、どうもありがとうございました。そして企画・運営をしてくださったNPO remoのみなさん、心斎橋展示室のみなさん、どうもお世話になりました。

Video Rendez-vous

ビデオ・ランデブー:映像の現在

日時:1/10 (木) - 20 (日)
   11:00 - 19:00 *入館は18:30まで/会期中無休 
場所:大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室
入場:無料

出展作家・ トーカー:谷川俊太郎/Johan Grimonprez/Charlotte Leouzon/イルコモンズ/豊嶋康子/亀井文夫/Liselotte Wajstedt/Dee Dee Halleck/エリザベス・コールと小沢健二/岩淵拓郎/中村友紀/粉川哲夫/Pascal Beausse

お問い合わせ:大阪市立近代美術館建設準備室
TEL: 06-6615-0654(土日祝を除く9:00-17:30)/FAX 06-6615-0699

今回、僕が出展した作品は以下の24作品。

【モニター1】
a meaning for the view - Garden - Dec 3,2007
a meaning for the view - Minamimorimachi Crossing - Dec 13,2007
a meaning for the view - Kitchen - Dec 15,2007
a meaning for the view - Nipponbashi - Dec 20,2007
a meaning for the view - Lavatory - Dec 23,2007
a meaning for the view - Living room - Dec 25,2007
a meaning for the view - Kawanishi Overpass - Dec 29,2007
a meaning for the view - Hanayashiki - Jan 1,2008
a meaning for the view - Kawanishi Sta. - Jan 5,2008
a meaning for the view - Kawanishi Station Plaza - Jan 5,2008
a meaning for the view - Kawanishi R176 - Jan 5,2007
a meaning for the view - Kawanishi-Ikeda Sta. - Jan 5,2008
living with calendar - ONE DAY - Dec 10,2007
living with calendar - EVERYDAY - Dec 18,2007
living with calendar - ONE DAY - Dec 22,2007
living with calendar - ONE DAY - Dec 28,2007
living with calendar - EVERYDAY - Dec 29,2007
living with calendar - ONE DAY - Jan 2,2008
living with calendar - EVERYDAY - Jan 4,2008
living with calendar - EVERYDAY - Jan 6,2008
※ 2008 / 40sec

【モニター2】
HELP YOURSELF
SERVEZ-VOUS
ご自由にお取りください
※2008 / 5min30sec

【プロジェクター上映】
end credits of the world (2008)
※2008 / 10min50sec

たぶん気づいた方はほとんどいないと思うのでわざわざバラす必要もないんですが、実は全てが2008年制作になっています。24作品のうち"end credits of the world (2008)"をのぞく23作品が完全な新作、"end credits -"に関しても今回のために1から作りなおしたリメイクバージョンです。そういう意味でも「映像の現在」……という話では決してないんですけれどw、とにかく現時点での自分の仕事のあり方というかスタンスをかなり鮮度の高い状態で発表できたのではないかと考えています。


takuro iwabuchi "a meaning for the view - Kawanishi Sta. - Jan 5,2008" (2008)

実は今回の展覧会のお話をいただいた時、僕の中ではひとつ試してみたいことがありました。それは「撮影する」ということでした。僕はいわゆる“映像作家”ではありません。過去に映像作品を制作したこともありますが、それらはコンピュータ上で制作されたものであり、実際にカメラで撮影されたものではありません。つまり僕にとって「撮影をする」ということは身体感覚にまったく刻まれていない行為であり、つまるところ完全な素人なわけです。で、こういう状況において仮にも「美術家」を名乗る自分には何が出来るのか? もう少し踏み込んで言えば、これまで自分なりに組み上げてきた「美術」という視線や方法を、「映像」という異なるジャンルへ、映像的なテクニックを介することなく、いかにして持ち込むことができるのか? それを試すために、あえて「撮影する」ということをやってみたかったわけです。


takuro iwabuchi "HELP YOURSELF" (2008)

今回出展した作品はまさにそうした試みの結果であり、ある意味予想通りの結果が出たという点でも、やはりやれてよかったなと思います。予想通りというのはつまり、いかにも「美術」然とした自分らしい作品になったということ、そして「映像」として圧倒的に力不足な作品になったこと。前者は成功で、後者は今後の課題。あとは実際に作品を見てくださった方からのご意見・ご感想をお待ちしております、という感じでしょうかw

他に岩淵拓郎さんの 「HELP YOURSELF」 「SERVEZ VOUS」 「ご自由にお取り下さい」は、純粋で簡潔であることが見事にすかされるように描かれていて大変驚きでした。
転載元:Flamein blog - framein.jp - 「ビデオ・ランデブー:映像の現在」を見て
特に谷川俊太郎さんの作品と、岩淵拓郎さんの作品の、ともに、とぼけた味に好感を持つ。
転載元:文学トコトコ: 心斎橋〜淀屋橋〜梅田北ヤード

いやいや、まさにそういうことなんですよね。こんなふうに書いてくださったる方がいるだけでも、参加した甲斐があったなぁと思います。いやいや、ほんとね、お客さんあっての展覧会ですから!

ということで、とりあえず今回はここまで。「ビデオ・ランデブー」に関しては展覧会/キューレーションという視点でもうひとつくらい書きたいことがあるので、それはまた近いうちに。


Victor Everio (エブリオ) ビデオカメラ ハードディスクムービー 40GB GZ-MG575-S
B000MM1KPK

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2008年01月29日 10:40 | 「ビデオ・ランデブー:映像の現在」で考えたこと その2 〜 キュレーションとは何だ? from 岩淵拓郎「日々嘉綴 総合(ひびかて そうごう)」