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[カレイド2008] 芝川ビルでかなもりゆうこの作品を見て来た
2008年03月21日 | 関西/大阪アートシーン | | |
本日で終了した「大阪アートカレイドスコープ2008」レポ、第2弾。北浜・芝川ビルで展示中のかなもりゆうこさんの作品「variant」を見てきました……って、実はけっこう前の話なんですけど、本当に書きたいものはなかなか筆が進まなかったりします。
かなもりさんはダンスをモチーフとした映像をインスタレーションの中で見せていくアーティスト。昨年には神戸CAP HOUSEで展覧会「Violet」をやってもらったり。ちなみにその時のレポートはこちら。
で、今回の作品で驚いたのはとにかく映像が“映画的”だったこと。少なくともCAP HOUSEでの三作品は劇場的なインスタレーションの中で舞台的な映像を見せるような手法がとられていたんですが、今回は芝川ビル全体を使って撮影が行われていて、パンもするし、ズームもするし、って具合。とにかく純粋に映画的な映像として完成されたものになってました。そういう意味で普通にDVDとして1枚欲しいなとw。ただ、もちろんそれだけじゃなくて、会場で見ている実感としてロケーションともすごくリンクしていて、本来の意味とはちょっと違うかもしれないけど「インスタレーション」としても十分に成立してる。ああ、これはきっとかなもりさんにとって新しい起点になる作品なんだろうな、と予感させる作品でした。
あとこれは今回に限った話ではないんですけど、「文学的」な状況なり情景っていうのをどう作るかって言う話。これは僕自身が最近の自分の作品の中でも取り組んでるテーマだったりするんですけど、もうそれに関しては彼女は独特の手法を持っていて、分かりやすいところで「少女」とか「手触り」とかそういうことなわけですけど、この点に関してはやっぱり凄いなと。さすがその筋でのキャリアが違うなとw。
ちなみに芝川ビルはもともと女学校を卒業した「いとはん」たちのための花嫁学校だった建物。つまりこの組み合わせ的にも最強なわけで。
学校の名前は「芝蘭社(しらんしゃ)家政学園」。生徒は大阪や神戸、遠くは奈良など関西の有名女学校の卒業生が多く、授業は洋裁・和裁の主コースを基本に、習字、生け花、お茶、また当時ではまだ珍しい、ハイカラな洋食メニューを含む料理(割烹)などがありました。
転載元:大大阪サロン:大オオサカまち基盤
最後に、これはあくまでも余談なんですけど、DVの映像って動くとやっぱ荒れが目立ちますね。って意味で、この作品は純粋にハイビジョンで見たかった。個人的にそれほどハイレゾにこだわるタイプでもないんですけど、今回に限ってはもうぜったいハイビジョン推奨。でも、タイミング的に難しいですよね、なんだかんだ言ってもまだまだお金かかりますしね。
でも、ハイレゾで見たくなる映像って逆を言えばそれだけ絵として密度があるってことですから、やっぱそういう意味でもとてもいい作品でした。
櫻の園
中島ひろ子 つみきみほ 中原俊
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