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大阪市立近代美術館と提案書「これからの美術館」
2009年06月24日 | 関西/大阪アートシーン | | |
仮称とか準備室とか言いつつ保留され続けてきた大阪市立近代美術館の設立計画が、ようやく動き出したもよう。
大阪市では、幅広い見地から近代美術館のあり方について審議するため、平成21年6月9日に第1回目の「近代美術館あり方検討委員会」を開催します。この委員会では、平成10年に作成した「大阪市立近代美術館(仮称)基本計画」を見直し、市民の理解を得られるよう、近代美術館のあり方について検討します。
転載元:大阪市 ゆとりとみどり振興局 【報道発表資料】第1回近代美術館あり方検討委員会を開催します
こんなご時世そもそも“近代美術館”という存在そのものが市民の理解を得られるかって話はさておき、仮にも東京に次ぐ大都市である大阪に近代美術館のひとつぐらいないとまずいっしょっていうのももちろんあるわけで、せっかく作るならちゃんと“機能”するものがいいなぁ……って、まあ僕は大阪市民でも大阪府民でもないわけですが。
で、実は先日これがらみである関係者に美術館に関する古い資料を送ることがありました。94年10月に関西で活動する11人のアーティストが連盟で神戸市に出した提案書、その名も「これからの美術館」。
当時神戸にはとにかく美術館をあっちこっちに立てる計画があったそうで、それに対するアーティスト側からの物言いとして出されたのがこれ。ちなみにこの2ヶ月後に阪神大震災が起きて、神戸市も兵庫県も美術館どころではなくなって、11人のアーティストもどうしようかぁーみたいな感じになって、そんなこんなで結成されたのが現在のC.A.P.だったりします。
この資料の面白いのは、空間に関してアーティスト側からかなり具体的なレベルでの提案がなされている点。例えば、壁の材質はこれがいいとか、天井高は最低どれだけ必要だとかとか、いわゆるハード(建築家?)主導の美術館建築で見落とされがちな“展示まわり”についてかなり突っ込んで触れられています。また運営体制や教育機能といった今後の美術館のあり方についても、その主体の一端を担うはずのアーティストという立場からいろいろと触れられています。少し古い資料なので時代的に少しズレた感じのする部分もありますが、そもそもアーティストから美術館に関する提案書が出されるという事自体あまり例がないことだと思うので、興味のある方はぜひ目を通してみてください。
で、ここまで書いて疑問。はたしてアーティストは美術館にとって本当にそのの一端を担うべきなんでしょうかね。言うまでもなく美術館には政治的意義も大きいわけで、そう考えるとそこにはアーティストはおろか市民すらもいなくて正解みたいな感覚があったりするのかなぁと。別にそれが悪いわけではなく、それはそれできちんと政治的に機能すればいいわけだけど。
ふーん、なんだかねぇwww
美術館の可能性
並木 誠士
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