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ライナーノーツを書くのがものすごく楽しい
2010年08月23日 | 岩淵拓郎の仕事 | | |
先週土曜日、神戸ポートターミナルにあるCLUB Q2で行われた海上サロン「Q2 サタデーアフタヌーン」のホスト役を、僕とアーティストの“Tomoさん”こと杉山知子さんといっしょにやってきたんですが、その時お客さんに配ったコンピCDのライナーノーツが好評だったので、音源抜きで、テキストそれだけうpしときます。
あ、ども。土日祝日も入れるバイトリーダー岩淵です。このたびはC.A.P.の「母さん」ことTomoさんと一緒にQ2サタデーアフタヌーンのホスト役を担当させていただくことになりました。不束者ではございますがなにとぞよろしくおねがいいたしマッス! さて、このCD-Rは今回みなさまをお迎えするにあたり、僕とTomoさんがそれぞれお気に入りの曲を持ち寄って編集いたしました嬉し恥ずかし愛のオリジナルコンピレーションアルバムです。テーマはもちろん「夏の海」。折り返してもなお残暑厳しい夏の日の想い出にぜひともお持ち帰りください。ちなみに押し付けがましくも製作過程について少しご説明させていただきますと、サイパン帰りのTomoさんが選んでくれたバカンスの余韻たっぷりの6曲に、バカンスもへったくれもなく気がつけばなうなうとつぶやくだけの夏を過ごした僕が暑苦しい珠玉の7曲をぶち込んでやりました。ちなみにこのライナーを書いている今は午前4時57分。宝塚の高台にある我が家の窓からはゆっくりと日が昇り、リオではきっと美しい夕日が空を赤く染めていることでしょう! ……てな感じで曲紹介。1曲目はポートアイランド在住の黒人歌手フレディーのデビュー曲『関西空港』。家族で予定していたハワイ旅行にタイミング悪く営業が入ってしまい家に一人取り残されたやりきれない父の想いが捕まえた国教なきソウル&グルーヴ(実話)。帰国予定は1週間後。ぎこちない笑顔で見送ったKIXはもはや済州エアポートよりも悲しい色やネン。 そんなことをまるで気に止めることもなく、南国の浜でなぜかことさらに南国に想いを寄せる2曲目は矢野顕子「椰子の実」feat. 島崎藤村。八重の潮々に思いを馳せつつも、明日は娘と水入らずで一緒にお買い物とエステ。ちなみに矢野顕子の泊まるホテルのクーラー設定は環境にも体にも優しい28度、体調管理もいい女の条件、あきらめないで!(©真矢みき) 一方その頃、娘から届いた写メを受け取った父は、腹いせに出かけた半日小旅行中(たぶん塩屋あたり)、3曲目イルリメ「とらべるびいつ」。路地を曲がるたびに出会う風景を写メって嫁に送りつけるも、残念ながらケータイは寝室の鏡台の上。誰だってあるよね、そういうこと。それでも気分が上がってしまうのは、そもそも一人遊びが出来てしまう男子魂のなせる技。 続いて4曲目は大貫妙子「船出」。アーバンなベースが一周まわってリアルアジア。もはや日焼けか地黒かわからないソバカス混じりの肌がチャラついた観光客との格の違いを見せつける。「あなたはどこにでも行けるちいさな小舟」とか言われる身にもなってください! 5曲目は地球一番快適音楽ことゴンチチの「虹」。ここで言う「快適」っていうのは、つまるところ分別のついた大人の“動物化”ってことでたぶんOK。 6曲目はユーミンを召喚させたら日本一、滋賀の才人・細馬宏通氏率いるかえる目の「やさしさに包まれた」。車道を走ることすら許されなかった仮免止まりのあの夏の恋。海辺には開け放つ窓もありませが、ここから窓辺の曲が続きます。 7曲目は松任谷由実「夕涼み」(本人が唄っています)。2人で洗車してドライブしてチョメチョメ〜な流れが今ではとっても懐かしい80'sな恋のかたち。車は多分白いセリカ。お客さん、名曲ですよ! 8曲目、クレイジーケンバンド「熱波」。こちらは新車で購入2005年型マスタング。フリマで買ったバミューダが似合うバツイチ店長と意外と遊びなれたバイトちゃんによるお盆休みのアバンチュー。大人の恋は後味をもてあそぶのが醍醐味…っていうのはあくまでもオッサンの理屈。ちなみに逗子の渚橋のデニーズは惜しまれつつも去年閉店したそうです。 9曲目は小沢健二「シッカショ節」。本当のことを探して世界を旅した男が行き着いた答えが町内納涼盆踊り大会。それでもなお「あいかわらず小沢君らしいよね」とかしたり顔でぬかす赤いTシャツの妙齢女子を捕まえて、お前は何を知っているのだと小一時間問い詰めたい。2010年「ひふみよツアー」録音。 10曲目はくるり「太陽のブルース」。ゆけば上京、もどれば左京、橋の下を流れる見える賀茂川にはこのところの日照り続きで飛び石を踏み外して靴を濡らす水もない……そんな感じ。ちなみに今年の京都と言えば何をさておきアニメ「四畳半神話大系」でした。 そろそろ終盤の11曲目は五輪真弓「落日のテーマ」。Tomoさんが選んだ曲の中で個人的にはこれが一番意外でした。骨太。1974年放送のNHK銀河テレビ小説「僕たちの失敗」テーマ曲。 12曲目、山本精一率いるフォークロックバンド・羅針盤の「ありか」。状況の掴めなさも含めて前曲に対するオレなりのアンサーソング、って言うと言い過ぎか。 そして最終13曲目、小野リサ「タイランドの午後」。夏のどんな気分も日没とともに飲み込んでしまうようなオールマイティーカードっぷりはまるでUNOのドローフォーのようで、ついつい最後まで隠し持ってしまったり。反則? そこはローカルルールということでカンベンしてやってください!(2010年8月19日 岩淵拓郎)
選曲は、ライナーにも書いてますが、まずTomoさんに6曲選んでもらって、それに僕が7曲選んでコンパイルしました。タイトルはもちろん「Heure d'été(夏時間)」!
208のSHOWCASE 50回目を記念してコンピ作ったときも思ったんですが、誰かと一緒にコンピ作るとその関係性とかがモロに表れて嬉し恥ずかしですが、たぶんコミュニケーション系のワークショップとかにそのまま使えると思いますよ。興味ある人はぜひお試しあれ。
てか、ライナーノーツ書くむちゃくちゃ楽しいわ。しばらくそれ目的でコンピつくりたい気分です。
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