「栄光のオランダ・フランドル絵画展」

2005年07月07日 | 関西/大阪アートシーン | del.icio.usに追加 | はてなブックマークに追加 | livedoorクリップに追加

会 期:2004年7月17日(土)〜10月11日(月・祝)
会 場:神戸市立博物館
オススメ度:★★


あくまでもメインは「画家のアトリエ」である。このところのフェルメールブームにあやかった企画であるのは足を運ばずとも明らかである。しかしいざすべてがそこに向かうような展覧会の流れに身を投じてみると、逆に最後に肩すかしを食らうかもしれない。もちろんフェルメールがどうのこうのという話ではなく、それはむしろ絵画というメディアの取り上げ方の問題である。今どき「月の石」でもあるまいし、たかか数号の小さな絵に多くの人が殺到するのは、それ自体滑稽なことだ。そのことに気づくという意味において、同展覧は面白くなくはない。

個人的に興味を引いたのは、現在のわれわれの視点からして明らかに「おかしい」もしくは「上手くない」作品が多く出展されていたという点である。企画の内容的に、例えば遠近法の発見をまたぐようなかたちであったということもあるだろうが、それを差し引いても「おかしい」もしくは「上手くない」と感じられる作品が多かった。それらは大抵の場合、聞いたこともない作者もしくは明確な作者がわからないようなものであったが、それに比べてやはりファン・ダイクやルーベンスなどの有名な作家の作品は技術的にも表現的にも異なる次元にあるように感じられた。もちろん作家の知名度で評価するわけではないが、やはり名画と呼ばれるものは馬鹿にはできない。

ヤン・ファン・ダーレンの「バッカス」は違う意味でおかしかった。あれはただの酔っぱらいである。

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「デイ・アフター・トゥモロー」

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2004  アメリカ
製作・監督・脚本:ローランド・エメリッヒ
出演:デニス・クエイド、ジェイク・ギレンホール、イアン・ホルム、エミー・ロッサム
オススメ度:★★


「インデペンデンス・デイ」のローランド・エメリッヒ監督による、異常気象パニック大作。背景はド派手だが、内容的には単なる親子モノ。設定などもずいぶんいい加減で、そのあたりが気をしだすとまるで楽しめない。むしろ映像だけで乗り切るのが○で、特にNYが津波に襲われるシーン等はCGだと分っていてもなかなかショック。妙に思わせぶりなエンディングは少し意味が分からなかった。

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「ハウルの動く城」

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2004  日本
原作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
監督:宮崎駿
出演:倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏 ほか
オススメ度:★


PIXERの「Mr.インクレディブル」と迷いに迷ったあげく見に行ったがもう完全に大誤算。基本のストーリーテーリングの部分が無茶苦茶で、娯楽作品としてまったく成立していない。なんだかんだ言ってもそれなりに楽しめるミヤザキ作品の中にあって完全な駄作。さらに宣伝力の強さで押し通そうとしているのがミエミエで、この点では「CASSHERN」と大差なし。金がかかっている分まったくタチが悪い。

とにかくストーリーがまるで掴めない。もしかすると原作を読んでいればそれなりに理解できるのかもしれない。もちろんそういう映画があっても悪くはないと思うが、娯楽作品としての売り方をするのであれば物語を分かりやすくすることは最低限の義務であるように思われる。なにせ子供たちなけなしの小遣いを払って見るのである。そのあたりの誠意がまるで欠けている。どうした、ミヤザキ?

またキャラクターの設定が弱いのが気になる。主人公であるソフィーもハウルも最後の最後までいまいちキャラが定まらない。ハウルの弟子・マルクルや火の悪魔・カルシファーも重要な立ち位置にもいながらいったい何者であるのかがはっきりしない。美輪明宏演ずる荒野の魔女もさすがにもう飽たというのが印象。あ、ちなみにハウル役の木村拓哉は思ったよりもずいぶんマシで、ギリギリ合格点といったところ。

ただし評価できる点もある。たとえば映像表現の部分では、単に金をかけたということではなく、あらたな試みがいい形で実現されている多かった。ほとんど数種類のパターンを忠実に受け継ぐ日本アニメーションにおいて、トップでいながらなおも新しい表現に挑戦しようという同氏の心意気は十分に感じられた。

ただそういった部分を考慮しても、作品として決して評価できるシロモノではない。ネット上で見た感じでも一般評価もかなり厳しいようである。しかしその反面で大絶賛する連中も決して少なくない。はぁ?  いったいどこをどう見ればそんな評価がだせるというのだろう。 既存の宮崎ファンなのか? それとも単に節穴なのか? いずれにしても作品そのものを冷静に判断できる「良き消費者」であってほしいものである。

ちなみに帰りに電車の中で、偶然にもハウル帰りの女子中学生2人組に遭遇。1人が重い口を開き「言いにくいけど、やっぱり今回はちょっとイマイチやったわぁ」と告げた。えらい!

11:35 | トラックバック (0) | 固定リンク

2005年06月29日

映画「電車男」を観た

2005年06月29日 | 映画・映像 | del.icio.usに追加 | はてなブックマークに追加 | livedoorクリップに追加

映画「電車男」を観てきました。それもなぜか映画館でw

densha otoko

・電車男(公式ページ)
http://www.nifty.com/denshaotoko/

言わずと知れた、2ちゃんねる発・美女とヲタクの純情初恋物語。タイミングを逃すまいと撮り急いだ感はあるものの、思ったよりはずいぶんマシなのは、山田孝之の滑稽ながらも切迫した演技のせいか? 中谷美紀はあいかわらずきれいなお姉さんで、もちろん美化されているとはいえ、エルメスに対する想像をいい意味で掻き立てる。

内容的にはオリジナルを忠実に再現しようとしたためいくらか無駄なシーンが目立つ。ヲタク3人組の戦闘シーンなどはもうすこし熟考すべきだったかもしれない。とはいえ、ネットの上でテキストを中心に繰り広げた世界をこれまで無理なく映像化した点(特に絵文字のあつかいがなかなか面白い)は十分に評価できる。ネットという部分の親近感で若干ひいき目で見れば十分に楽しめる。

電車男

2005 日本
監督:村上正典
出演:山田孝之、中谷美紀、国仲涼子、佐々木蔵之介 ほか
オススメ度:★★★

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2004年12月29日

「ターミナル」

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2004  アメリカ
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:トム・ハンクス ほか
オススメ度:★★★


本当に「可もなく、不可もなく」。取り立てつまらないわけでもないが、取り立てて面白いわけでもない。設定の面白さを除けばストーリーにそれほど魅力があるわけでもなく、かといって全くないわけでもない。なんとなく見始めて、1時間半後になんとなく終わる。そんな印象。よって残念ながらそれほど書くこともない。

ただひとつ興味深かった点は、この作品の持つ映画特有のスケース感だ。あまり考えたことがなかったが、映画のスクリーンと空港のターミナルは共に人の身の丈に対して心地よくデカいという点において相性が良いようだ。観賞後になんとなく本当に空港にいたような感覚にはなる。このあたりがスピルバーグ品質なのかもしれない。

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