2004年10月06日

アトリエ・ワン「街の使い方」展 - 小さな家の設計から大きな年の観察まで

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2004年10月2日(土)〜12月5日(日)
キリンプラザ大阪
キューレーター 五十嵐太郎(建築史・建築批評家)
入場料 700円
オススメ度:★★★


アトリエ・ワンの塚本由晴氏は、以前IMI主催で美術家の中村政人との対談で一度だけ話を聞いた。まるで建築家と思えないまるで大学生のような風貌と、飄々とした口調ながら鋭い指摘をする様子がとても印象的。目的も方法も違うが、美術という枠組みがこれまでにもまして知的に解体されようとしていている昨今において、彼らから学ぶべき物はおおいように思われた。

意外な事にアトリエ・ワンにとって今回は初の個展。内容は同ユニットの設計した狭小住宅「ミニ・ハウス」をカヤで1/1再現、その中で書籍や映像などの資料が展示されるというもの。空間性の体験という意味では面白いが、やはり見せ方としてはいささかものたりない。まぁ、展覧会というスタイル自体、建築の文脈から外れたもなのだから仕方ない。それでも彼らの仕事、というよりユニークな視点そのものの全風景を眺めるにはいい機会だった。

活動の部分で面白いと思ったのは、彼らの活動の中心がリサーチにあるということ。これは塚本氏が研究者であるという立場を考えると当然のなのかもしれないが、それ自体がひとつの作品として成立しているのは興味深い。もちろん彼らの仕事の本質は建築設計なのだが、もはやそれすらもプレゼンテーションの一部でしかないと感じてしまうほど、彼らの存在にはブレーンとしての意味合いが強い用に感じられる。

11:35 | トラックバック (1) | 固定リンク

2004年09月24日

トヨダヒトシ「スライドショー/映像日記」

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2004年9月23日(祝)〜26日(日)
[NA.ZUNA part 1]・[NA.ZUNA part 2]・[The Wind's Path]
CAP HOUSE 神戸(神戸)
1,000円(1ドリンク付)
オススメ度:★★


スライドショーにデフォルトでBGMがつくようになったのは、もしかするとAppleの残した悪しき習慣かもしれない。時間軸に写真を並べてそれを投影する、それだけで写真はひとつの流れの中で新しいストーリーを語りだす。別に特別なことでも何でもないのだけれど、そういうことを当たり前をするのが実は一番難しい。この点においてこの作家は極めて潔い。ただしその潔さが作品を作品として成立させるべく正しい方向に導いているかどうかは微妙なところである。

誤解も含めてテーマは「旅」である。すくなくとも私にはそのように思えた。見知らぬ土地で見知らぬ人々とふれあうことで目覚める視線があることは、すでに誰でも知っていることである。それをいまさら作品として見せる、もしくは見せられるということに対しての疑問は多い。それにつけて昨今の写真ブームの後に、それでもなお作品化が可能な写真とはいかなるものか。写真という表現形態が本質的にメディアとの関わりを逃れられないとするならば、それについては潔いトヨダ氏に答えてほしかった問題である。あとプロジェクションという手法についてももう少し説得力が欲しかった。作者説明では「そこに有るのに触れる事が出来ない距離感」とのことだったが、個人的には納得するにはいたらなかった。

ただ、そういったことを考慮しても、スライドショーをひとつの表現形態として突き通そうとするトヨダ氏の潔さについては今後の期待もこめて評価したい。

11:40 | コメント (0) | トラックバック (0) | 固定リンク

2004年09月04日

「6人の作家/articulation 2004」

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2004年9月4日(土)〜25日(土)
今井祝雄・植松奎二・河崎晃一・倉貫 徹・藤本由紀夫・百瀬 寿
ARTCOURT Gallery(大阪・天満橋)
入場無料
オススメ度:★★★


作品の評価において「凛とする」という言葉を用いたのは「ノンポリおおさか・(展)」でご一緒した松村 アサタ氏だったが、それは同グループ展を言い表す上で適切な言葉のように思われる。極めて「凛」とした展覧会。

すでにキャリアの長い作家たちによるグループ展である。そこにコンセプト上の安易なすりよせなどは感じられない。むしろそれぞれがそれぞれの仕事を全うしているように感じられる。「凛」というのは、その結果として浮き上がってきた印象だ。それこそが本展をグループ展として成立させているように感じる。

中でも植松奎二と藤本由紀夫の力は大きいように思われるが、このあたりは好みの問題かもしれない。逆にいまいちピンと来なかったのは大量のチラシを丸めた今井祝雄のインスタレーションで、この作家に関しての予備知識はとくにないが、一見すると作品そのものの力より空間に頼る部分が大きかったように感じられた。河崎晃一の小さめの造形は、本人を存じているせいだろうか、いつも人物とのギャップが興味深い。倉貫徹の水晶を用いた平面は、単純な構図の中に素材の差異による独特の緊張感があって興味深かった。

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2004年08月22日

東海テレビ「女医・優〜青空クリニック」

2004年08月22日 | 日々嘉綴 アンテナ | del.icio.usに追加 | はてなブックマークに追加 | livedoorクリップに追加

原 作:軽部潤子「青空クリニック」(講談社Kiss連載中)
脚 本:深沢正樹、大原久澄
制 作:東海テレビ放送、国際放映
時 間:毎週月曜〜金曜日 13時30分〜14時00分 
出 演:木内晶子、岸田今日子、西興一朗、大浦龍宇一 ほか
オススメ度:★★★


可愛い以上、きれい未満。アイドル以上、女優未満。いってみればそういう微妙さについて心奪われるのは、何かのコンプレックスのあらわれなのか? 

それはともかく、昼ドラ「女医・優〜青空クリニック」の木内晶子はいい。芸能人としての彼女の立ち位置もさることながら、あの若さで若き女医という設定がかなり不自然で素敵だ。個人的にかるく鷲掴みである。ここでは木内本人よりむしろ彼女に主役を与えた、企画サイドの愛を評価したい。

ちなみに木内晶子の所属するイザワオフィスは渡邊プロ系列で、ドリフターズ、いしだあゆみ、竹脇無我、小泉孝太郎などが所属。

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2004年08月20日

トワ・エ・モワ「ベストコレクション」

2004年08月20日 | 音楽 | del.icio.usに追加 | はてなブックマークに追加 | livedoorクリップに追加

発売元:東芝EMI
発売日:1992年08月26日
オススメ度:★★★★


以前からずっと気になっていたトワ・エ・モワのベストを図書館で入手。公共サービス・フル活用。

今風にいえばソフトロック。なにより直球のユニゾンデュエットが新しい。清らかで芯のある山室英美子のソプラノとそれを優しく支える芥川澄夫のテナーは、互いにけっこう癖があるが不思議と相性がいい。和製カーペンターズと称されることもあれる彼らだが、日本人にとってはむしろ本家よりも洗練された世界観がそこにあるように思われる。とくに「或る日突然」を文句なしの名曲、本質的な価値観の部分でまったく色あせていない。

山室は82年よりソロ活動を開始。2002年にも「I'm Here〜永遠の詩」をリリースしている。芥川はボイストレーナーとして活動中。

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