2004年09月04日

「6人の作家/articulation 2004」

2004年9月4日(土)〜25日(土)
今井祝雄・植松奎二・河崎晃一・倉貫 徹・藤本由紀夫・百瀬 寿
ARTCOURT Gallery(大阪・天満橋)
入場無料
オススメ度:★★★


作品の評価において「凛とする」という言葉を用いたのは「ノンポリおおさか・(展)」でご一緒した松村 アサタ氏だったが、それは同グループ展を言い表す上で適切な言葉のように思われる。極めて「凛」とした展覧会。

すでにキャリアの長い作家たちによるグループ展である。そこにコンセプト上の安易なすりよせなどは感じられない。むしろそれぞれがそれぞれの仕事を全うしているように感じられる。「凛」というのは、その結果として浮き上がってきた印象だ。それこそが本展をグループ展として成立させているように感じる。

中でも植松奎二と藤本由紀夫の力は大きいように思われるが、このあたりは好みの問題かもしれない。逆にいまいちピンと来なかったのは大量のチラシを丸めた今井祝雄のインスタレーションで、この作家に関しての予備知識はとくにないが、一見すると作品そのものの力より空間に頼る部分が大きかったように感じられた。河崎晃一の小さめの造形は、本人を存じているせいだろうか、いつも人物とのギャップが興味深い。倉貫徹の水晶を用いた平面は、単純な構図の中に素材の差異による独特の緊張感があって興味深かった。

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2004年08月22日

東海テレビ「女医・優〜青空クリニック」

原 作:軽部潤子「青空クリニック」(講談社Kiss連載中)
脚 本:深沢正樹、大原久澄
制 作:東海テレビ放送、国際放映
時 間:毎週月曜〜金曜日 13時30分〜14時00分 
出 演:木内晶子、岸田今日子、西興一朗、大浦龍宇一 ほか
オススメ度:★★★


可愛い以上、きれい未満。アイドル以上、女優未満。いってみればそういう微妙さについて心奪われるのは、何かのコンプレックスのあらわれなのか? 

それはともかく、昼ドラ「女医・優〜青空クリニック」の木内晶子はいい。芸能人としての彼女の立ち位置もさることながら、あの若さで若き女医という設定がかなり不自然で素敵だ。個人的にかるく鷲掴みである。ここでは木内本人よりむしろ彼女に主役を与えた、企画サイドの愛を評価したい。

ちなみに木内晶子の所属するイザワオフィスは渡邊プロ系列で、ドリフターズ、いしだあゆみ、竹脇無我、小泉孝太郎などが所属。

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2004年08月20日

トワ・エ・モワ「ベストコレクション」

発売元:東芝EMI
発売日:1992年08月26日
オススメ度:★★★★


以前からずっと気になっていたトワ・エ・モワのベストを図書館で入手。公共サービス・フル活用。

今風にいえばソフトロック。なにより直球のユニゾンデュエットが新しい。清らかで芯のある山室英美子のソプラノとそれを優しく支える芥川澄夫のテナーは、互いにけっこう癖があるが不思議と相性がいい。和製カーペンターズと称されることもあれる彼らだが、日本人にとってはむしろ本家よりも洗練された世界観がそこにあるように思われる。とくに「或る日突然」を文句なしの名曲、本質的な価値観の部分でまったく色あせていない。

山室は82年よりソロ活動を開始。2002年にも「I'm Here〜永遠の詩」をリリースしている。芥川はボイストレーナーとして活動中。

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2004年08月15日

西平 直「シュタイナー入門」

出版年:1999年
出版社:講談社(講談社現代新書)
定 価:660円
オススメ度:★★★


ここ最近、シュタイナーについて幾分かの興味を持っている。きっかけはNHKで数年前に放映された「エンデの遺言」というドキュメンタリーで、ミヒャエル・エンデの経済に対する指摘にある思想的背景として触れられていたのがきっかけである。シュタイナーというと妄想癖の強いオカルティストで、いわゆる精神世界への窓口的な人物としてのイメージが強い。それが経済という極めて実社会的なテーマにつながりうるという点が興味を引いた。そこで実際にいくつかのシュタイナーに関する手引書のようなものを読んでみたのだが、これが私にはどうもよろしくない。その内容は極めて専門的な哲学的視点から書かれたものであるか、それとも精神世界まるだしのまさにオカルトと呼ぶにふさわしいもののどちらかである。

本書はその中においてシュタイナー初心者に対し極めて分かりやすくその思想と人物像を紹介している。もちろんその思想の特殊性において、その全体と核心を十分に理解しうるには物足りなさを感じる内容である。また筆者が執筆者として完全な客観性をたもっているかという点に関してもいささか問題は否めない。しかしながら筆者が「入門以前」と指摘するように、シュタイナー思想のその導入への糸口を見つけるためにはそれなりに有効である。とりわけ筆者と学生の間で実際にやり取りされたいくつかのエピソードは、入門者の抱く極めて初歩的な問題の意味を解決するには役に立った。

しかしながら実際にシュタイナー思想そのものに触れてみると、その怪しさというか荒唐無稽さに圧倒される。これは表層的な部分だけをかすめとった上での安易な批判ではない。むしろそう言われることが思想家として生きたシュタイナー自身の宿命であるとの理解によるものだ。この点については筆者も触れているが、もし仮に彼が芸術家として生きたのであれば、現在のような誤解の上に立たされることはなかったはずである。人生観、世界観、宇宙観……それを自らのイメージの中で膨らまし具体化することは芸術家にとってごくごく普通の作業である。しかし彼はそれをあくまでも哲学的文脈の中で展開しようとした。その結果、彼の思想そのものがオカルトとして扱われてしまっていることは、その内容の善し悪しはともかく残念なことだ。

ただ、彼がもし芸術家だったらという仮定を実際に想定した場合、その思想がどれほどまでに広く影響を与えたのかという点に関しては、私は私の立場を持って冷静に考えたいと思う。例えば、近年ボアダムズのEYE氏が「B∞DOMS」で具現化した宇宙のイメージが、現実的な社会的影響力としてどれほどの力を持ちうるかはここで説明する必要もない。芸術とはそういうところに位置していることが前提だからだ。

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2004年08月14日

デュークエイセス「ゴールデンベスト20」

発売年:1988年
発売元:東芝EMI
オススメ度:★★★


デュークエイセス20曲入りベスト。録音自体は80年代のものが中心かと思われる。NHK「みんなうた」の「シューティングヒーロー」や名曲「筑波山麓合唱団」はデュークエイセスのコミカルな一面が垣間みれる。それにしても何を歌ってもデュークエイセス風に消化してしまうあたりは流石である。ちなみに「筑波〜」は1969年の紅白歌合戦に出場した際に歌われている。

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モダンチョキチョキズ「別冊モダチョキ臨時増刊号」

発売日:1994年06月22日
発売元:キューンレコード
オススメ度:★★★★

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「タクシードライバー」

1976  アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ポール・シュレイダー
音楽:バーナード・ハーマン
出演:ロバート・デ・ニーロ、ジョディ・フォスター、シビル・シェパード、 ピーター・ボイルほか
オススメ度:★★★

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2004年08月06日

市制50周年記念 宝塚観光花火大会

もはや自分にとっては当たり前になってしまったが、阪神間の数ある花火大会の中でも宝塚の観光花火大会は他とはかなり違った趣きがあって面白い。音楽と花火によって描かれるかなり情緒的な世界は、カタカナで表されるところの「タカラヅカ」が強く意識されたものであり、よって良くも悪くも「宝塚的」だ。もちろんそれは歌劇同様好みの分かれるところである。ただ、宝塚で生まれ育ち、今なおそこに住む私には、ファミリーランド亡き後の宝塚にささやかな記憶の断片を残すといった意味において、きわめて肯定的にとらえられる。

今年のテーマは「心に咲く花火の競演 鏡花水月」。「オープニング」「微笑」「涙」「叫び」「眠り」「エンデング」の全6章で構成。このあたりは歌劇よりもむしろ手塚治虫の影響が伺える。中でも「叫び」の章におけるプリミティヴな世界観は「火の鳥」や「ジャングル大帝」などで描かれたものそのもののようにも受け取れる。考えてみれば夏の花火大会に「涙」や「叫び」が似つかわしいはずもなく、むしろそこには「手塚の生まれ故郷」としてのイメージを打ち立てようとする同市の思惑が見え隠れしているようにも思える。

ただそんな憶測を抜きにしても、本花火大会はかなり見応えがある内容だ。打ち上げ数こそ少ないが(2000発)、テンポのいい展開と工夫を凝らした演出で、いわゆる花火大会というよりはむしろ何かのショウをみているような感じになる。興味深いのはやはり花火そのものによる表現の可能性で、実際はそれほど真新しい花火が上がるわけでもないのだが、組み合わせとタイミングによってかなり具体的なイメージを想起させられる。あまりこういったモノ言いはしたくないのだが、大衆芸術における表現としては十分にその質を保っているように感じられた。なお、花火を見る限りではよく分からなかったが、「高度なシンクロ演出が可能なコンピューター点火と 暖かみのあるアナログ点火のハイブリッド演出(公式ウェブより)」が採用されているとのこと。来年はこのあたりに注目してみたい。

今年は風向きもよく煙もほとんど気にすることなく楽しめた。観覧は西駐車場観覧場(有料/1dつき500円)がオススメである。

市制50周年記念 宝塚観光花火大会

日 時:8月6日(金)・7日(土) 19:45〜20:30
会 場:宝塚市武庫川観光ダム一帯・武庫川河川敷
打上数:2日間で約4,000発
花火サラウンド/映像遺産・ジャパントリビュート花火サラウンド/映像遺産・ジャパントリビュート
BGV


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2004年08月05日

鳥取1泊2日の旅 2004

交通手段:車
ナビゲーター:鳴海健二
コース:ベニ屋(カレー&インド氷) - 白兎海水浴場 - 健康いちばん・因幡っ子(定食) - 吉岡温泉館 - 鳴海家(宿泊) - 鳥取砂丘 - 戸倉滝流しそうめん
オススメ度:★★★★

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2004年08月01日

「ゲロッパ!」

2003 日本
監督&脚本:井筒和幸
出 演:西田敏行、常盤貴子、山本太郎、岸部一徳 ほか

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西野康造「空のかたち」

2004.7.10(土)〜 8.29(日)
ARTCOURT Gallery(大阪・天満橋)
入場無料
オススメ度:★★★★

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2004年07月31日

近藤晃弘展「死線上のバンパイア」

近藤晃弘、79年生れ、大阪芸術卒の若い作家。内容はホワイトキューブの会場が血しぶきで染められているというもの。意外にもギリギリのところでグロテスクではない。むしろ赤く染め上げられた空間には不思議と閉鎖感がなく、ほんの少し心地いい。ロケーションも考えればとあるマンションの一室の惨殺劇となっても不思議はないが、どこか最後の一線でそういった下世話さを踏みとどまらせている。ただし、やはりこういった単純な構成のインスタレーションは、よっぽどでないと物足りなさを感じずにはおれない。安易と言ってしまえばそういうことになる。

なお、ギャラリーwksには初めておとずれたが、マンションの11Fでもここまでできるかとちょっと関心。アクセスは決していいとはいえないが、スペースとしてはなかなか面白い。後日、ゆっくり訪れよう。

近藤晃弘「死線上のバンパイア」

会期:2004.7.12(月)〜 7.31(土)
会場:ギャラリー wks(大阪・西天満)

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田名網敬一 × 宇川直宏「DISCO UNIVERSITY」

2004.6.5(土)〜 8.1(日)
KPOキリンプラザ大阪(大阪・心斎橋)
一般700円/学生500円(中学生以下無料)
オススメ度:★★★

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2004年07月25日

山崎つる子「リフレクション」

2004.7.12(月)〜 7.31(土)
芦屋市立美術博物館
一般500(400)円、大高生400(320)円
オススメ度:★★★★

具体というと身体性を重視したような派手なアクションやハプニングといったことを連想する。しかしが同グループの一側面でしかないということは、すでに先の「具体回顧展」(兵庫県立美術館)において語られたことである。今回の山崎つる子展はその内容をあらためて立証するためのいい機会だ。

かつて"confusion"という言葉によって表された山崎つる子の抽象絵画は、今もなお十分に混乱を極めているように見える。あらゆる要素において安定と調和を拒否するような作品からは、もはや禁欲的なものすら感じられる。デタラメであるために繰り返される葛藤と省察。その態度はある意味で私たちが持っている具体のイメージと正反対のものであるように思える。ただ面白いことに、そこからなにかから解き放たれたいとする苦痛はまったく感じられない。

作品の変遷もなかなかデタラメである。突然「title」(もちろん「untitled」ではない)という題名で具象画を描いてみたり、かと思えば転がるビー玉に光を通すような普通にきれいな作品もある。あまのじゃく、そんな言葉をイメージする。いつも対局するものの間を行き来しながら、けっきょく何にも束縛されないお嬢様。そういえば彼女は芦屋生まれの芦屋育ち、清心女子出身のねっからのお嬢様だったか。まぁ、特に関係はないだろうが。

展覧は彼女の活動を理解する「redlection」「color」「confusion」「metallic」「stripe」「title」の6つのキーワードによって構成。あえて異なる次元で視点を混乱させたのも意図的かもしれないが、そこはもうちょっと系統立ててみてもよかったかもしれない。

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2004年07月19日

映画「イナフ」を観た

enough

いわゆるDVモノ。サイコサスペンスかと思いきや後半はアクションまっしぐらで少し意表をつかれたけど、ストーリーそのものには新しさは感じられなかった。細かい設定が甘くて不可解に思う点もいくつかあったけど、まぁそれはエンターテイメントというころでよしとするするか。

主役のジェニファー・ロペスはハマっていてなかなか。暴力亭主役のビリー・キャンベル と主人公の元恋人役のダン・フッターマンが微妙にかぶるところが気になる。

なんとなくビデオを借りてサラッと見るにはいいかもしれないけど、映画館で2時間近く腰をすえて見るのはちょっとしんどいかも。

イナフ

2002 アメリカ
監督:マイケル・アプテッド
製作総指揮:E・ベネット・ウォルシュ
脚本:ニコラス・カザン
出演:ジェニファー・ロペス、ジュリエット・ルイス 、テッサ・アレン ほか
オススメ度:★★

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