概 要 このたびメディアピクニックでは、美術家・岩淵拓郎の展覧会『STORE』を大阪堺筋本町・HUSHにて開催いたします。岩淵拓郎は関西を拠点に活動する若手美術家であり、主に言葉をモチーフとした作品を制作しています。 岩淵はここ数年、一貫して「言葉」とその「意味」の関係を鑑賞者に再確認させるような作品を制作・発表してきました。そうした活動の中心にあるのが、今回の展覧会のメインとなっている「a piece of meaning(APOM)」というマルチプル(複製可能な)のシリーズ作品です。これは小さなアクリル板に言葉とその定義を記しただけのシンプルな作品ですが、それが設置された空間やその風景、もしくはそこに流れる時間を概念化してしまうという不思議な機能をもっています。これらは一見するといわゆる頭でっかちなコンセプチュアルアートであるかのように見えますが、実際同作品は鑑賞者の感情に訴えかけうる詩的な余地が残されています。APOMはすでに300以上の異なる言葉を記したバリエーションが制作され、さらにインスタレーションやボックスピースなどの作品の構成要素としても登場しています。 また、ここ約数年で岩淵は言葉を用いた新たな表現にも取り組んでます。映画のエンドロールを模した初の映像作品「end credits of the world」、絵画とキャプションが入れ子構造になった平面作品シリーズ「name of color」、さらに言葉と紙をもちいた作曲ピース「composition book」など、言葉と意味が交差する世界は徐々に広がりを見せつつあるようです。 今回の展覧会では、会場の1Fのフリースペースを用いて、「言葉と意味を販売する店」というコンセプトの期間限定アーティストショップを展開します。出展作品は、前述のAPOMシリーズ約300作品に加え、name of the colorをはじめとする新作約50点。さらにB1カフェスペースにおいては、空間全体を用いたインスタレーションも展示。それら全ての作品がアーティスト本人から購入可能です。 |